今回のFLN勉強会では、2025年3月16日に構成についての全3回シリーズの最終回を開催した。
今回の勉強会では、前回までに学んだ構成の基礎理論を踏まえて、既存のデザイン作品を構成の視点から分析するワークショップを行った。バウハウスから始まるデザインの構成主義について触れつつ、デザインを「科学的に分解して理解する」というアプローチの重要性を説明した。
ビジュアルの分析

「構成的ポスターの研究」という書籍を参考にしながら、ビジュアルがどのように分析できるかを学んだ。参加者それぞれが選んだビジュアルを、以下のような構成パターンの視点から分析。
- キービジュアルの形態と秩序
- ビジュアル全体の表現と構成
デザインの見方の変化
参加者のSさんは、この構成の勉強会シリーズを通して得た気づきを次のように共有してくれた:
- これまでは文字は文字、イラストはイラストと別々に見ていた
- 各要素を1つの塊として捉え、全体の中でどう配置されているかを見るということが解った
- 構成のパターンと、それがどんな印象を生み出すのかを知ることで、身の回りにあるデザインを分析し、アイデアに活かす切っ掛けになる
過去に行ったデザインワークを振り返りながら、構成の知識があればより多様なバリエーションを生み出せたのではないかという気づきも得られたようだ。
ディレクターの仕事についての考察
勉強会の前半では「ディレクターとして働き始めて感じる課題」についての雑談から、デザイン現場におけるディレクションの本質について議論が展開された。
ディレクションは名前から考えれば方向を決めることと言える。1
プロジェクトやメンバーがどこに進んでいけばいいかという方向を定め、目印の旗を立てていく。そして全体が調和するように舵取りをしていく。なので、その課程で各々が判断できるルールや権限と範囲、優先順位をはっきりさせることが大事。
次回の予告
今回で「構成」についての勉強会は終了し、次回からは「インフォメーションアーキテクチャー」をテーマに4月から6月まで3回シリーズで開催する。
- 語源はラテン語の「directio」なんだそう ↩︎