背景
中小規模のシステム開発会社様より、企業理念の見直しについてご相談をいただきました。行動指針の設計をご検討されている中で、既存の理念が社内外にもっと深く浸透するにはどうすればよいか、という課題をお持ちでした。

情報の“絡まり”を解く
受託開発を中心に事業を展開されてきた開発会社様。整ったウェブサイトや企業メッセージをお持ちでしたが、事業の成長とともに、改めて「自分たちならでは」の価値を言葉で明確にしたいというご要望をお持ちでした。
初期段階では、対話を通じて、企業のこれまでの道のりや日々の取り組みや想いを丁寧に伺いました。語られる情報は多岐にわたり複雑に絡まっている紐のようでした。そこで、まずは一つ一つの情報を丁寧に整理し、構造化することで、根底にある共通の価値観や考え方を丁寧に探っていきます。そうすることで、組織の本質的な要素が徐々に見えてきます。

言葉になる前の“原点”をすくい上げる
幾度もの対話を重ねるうちに、お客様と作り手の間に立ち、繋ぐ「架け橋」のような存在であることが原点であると定義。この姿勢は、日々のサービス提供はもちろん、社内の文化にも自然と根付いており、まさに理念として掲げるべき大切な価値だと感じました。
そうして見出した大切な価値観を、誰にとっても分かりやすい言葉で表現し、企業の姿勢を共有できる形へと磨き上げます。検討の過程で描いた構造図が、偶然にも既存のロゴと親和性の高い形になったことは、とても象徴的な出来事でした。目に見える形としても、理念が自然と体現されたように思います。

理念が行動に変わっていく:共創の余白を残す
上記のプロセスを経て、企業理念の核となるコンセプトが明確になりました。このコンセプトを土台として、クライアントの皆様ご自身でさらに議論を深められ、それぞれの言葉で理念を表現し直すという、主体的な取り組みが進められました。最終的に、その理念は会社案内をはじめとする様々な場面で使用され、組織の内外へと共有されていくこととなりました。
