7月11日、UXシンポジウム沖縄に参加してきました。福岡以外のセミナーに参加するのは2回目。前回は名古屋でのUXJapan Forum 2014でした。写真は会場の宜野湾ベイサイド情報センター。
どのように作るかではなく、
何を(What)となぜか(Why)に考え方をシフトする
基調講演は、坂田一倫さんの「伝わる仕組みとサービスデザイン」。
坂田さんからは「正しくモノを作ろうとするのではなく、正しいモノを作ろう」というメッセージが伝えられました。
多くの手法が次々と発表される今、どのように作るか(How)の部分ではなく何を作れているのか(What)・なぜか(Why)を考えることが求められているとのこと。HCDはきちんとプロセスになっているが、しかしHowにこだわった形で導入しようとするあまりに、失敗したときの挫折感を味わっている人が多く見られるそうです。また手段を目的化してしまうために本当の目的が見えていないケースもよくみられ、その結果「正しいものさし」で測ることが忘れ去られていると指摘しました。
情報を得て知識を智恵に変えて行くには経験が必要ですが、実践からどんな学びを得るために、どんな経験をしないといけないのかを考える時、このWhatとWhyを意識しなければと納得できました。
ライトニングトーク大会
UX広島、UX福岡のメンバーも含めた8名でライトニングトークが行われました。
自分も「目的を決めて何を学ぶべきか具体的にする」というテーマで登壇しました。まだUXやHCDについて語れることは多くないため、UXコミュニティの運営を通じてわかってきた「学び方」について整理し、これまでのUXFukuokaを総括しました。
ほか登壇者の話で印象にのこったのは、全体的にUXというよりもUIの話が多いなと感じていた中で、ライターの大見謝さんがバーテンダーでの経験を元にライターの視点でUXを整理していたことです。
広島の薬師神さんからは、調査から得たデータからアイデアに変換していくプロセスが明確にされていないため、調査対象との間に溝があるのではないかという仮説を立て、その溝を埋めるためのプロセスを模索されているようでした。
UX福岡からは僕ともう一人、花田さんが登壇。花田さんからは、エンジニアがUXを学ぶと設計が良くなるという話を聞くことが出来ました。アジャイルは規模が小さいWebだから出来たが、Webの規模が大きくなってきた今後はソフトウェアプロセスが重要になるが、そこにはユーザー設計のためのプロセスが必要であるという提案がありました。ソフトウェアの機能をユーザーにとっての価値に変換していく作業をすることで複雑だったモノをシンプルに分割し、優先順位をつけることができたそうです。今後の計画もしっかり考えていて、刺激になります。
講演「UX(ユーザーの体験)を設計しよう!」
最後は浅野先生のUX概論の講義とワークショップ。短い時間のなかでスライドに含まれていない情報が非常に多く、何度も聞いているにもかかわらず受講するたびに新しい発見があるのはすごいなと思わされます。
ワークショップではアクティビティシナリオを書く練習でした。シナリオ法は初めてという方が多いようで、かなり苦戦されていました。UX福岡メンバーは経験者ということで皆さんへのアドバイスをして回ることに。人に教える機会は自分の体験したことが整理される切っ掛けになるので、良い機会だったと思います。
今回は単なる参加者のつもりでいたので、白鳥さんからLTを依頼されたときは、何も話せることがないのではと非常に苦しみましたが、これまでコミュニティの運営面で学んできたことを整理するいい機会でした。
反省点は
- LTの内容はコミュニティのUXという切り口で整理できたのではないか
- じっくり滞在しなかったので、エスノグラフィの機会を失ったこと
です。せっかくなので、LTの内容は視点を変えて整理しようと思います。
UXシンポジウム関連記事
- 「UXシンポジウム沖縄2015」開催レポート(琉球インタラクティブ株式会社)
- 伝わる仕組みとサービスデザイン(坂田さん)
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