UX JAPAN Forum 2015を福岡でできた

もう1ヶ月以上前の話になってしまったけど、UXJAPAN Forum 2015を開催した。

実は第一回目(2014年7月に名古屋で開催)の時、次は福岡どう?とか言われてたんだけど、そのときは全くやれる気がしなくて、いやいや無理ですよ…というすごく自信がない顔をして見逃してもらった。

2015年の夏頃に、再び福岡でやれないかなぁという連絡をいただいた時は、UXを学ぶ仲間ができていたので、やれるかもしれませんという返事をすることができた。仲間がいると勇気がわきます。

実行委員メンバーはUXFukuoka中級メンバーに加え、UX宮崎の飯干さん、UX飯塚の髙橋さん、前回の名古屋にも参加していた稲本さん、そして九産大を会場として使わせて頂く際に奔走して頂いた森田先生。さらに前回の実行委員長だった平野さんにもミーティングに参加してもらえたのは、とても心強かった。

 

学んだことを活かすぞ、と挑んだものの

UX JAPAN Forum 2015は、ゲストである登壇者はとても豪華で内容はとてもよいものになることは目に見えていた。問題はUXイベントのUXが悪いと洒落にならないということで、UXFukuokaの中級メンバーにとっては、これまで学んできたことを実践する場でもあると考え、UXイベントのUXを善いものにするというつもりで挑んだ。

そこで、イベントで参加者が満足し、ゲストにも福岡のイベントはすごく良かったねと言ってもらえ、これまで3年(僕以外は1年)かけて基礎を教えてくださった浅野先生が満足する、という(僕らにとってはかなり高い)目標を設定。

実行委員メンバーは、UXについては積極的に学んでいる人たちばかりなので、これから学ぼうとしている人や学びたいけど何からやればいいかわからない人たちのニーズがいまいち掴めずにいたので、VPC(バリュープロポジションキャンバス)を使って探ることにした。そのうえで提案されているテーマ「サイレントニーズを探る」がよいのかを検討することにした。

そこで出てきた顧客セグメントはこうだった

参加者の課題

  • UXDの基礎を知る
  • 業務に役立てる方法を知る
  • UXの大事さを社内に広める
  • 仲間を見つける
  • 目当てのゲストの話が聞ける

ゲイン

  • 事例・裏話が聞ける
  • もっと学びたくなる
  • UXDが利益に結びつくと思える
  • UXの悩みを共有する場ができる
  • 第一人者と話せる
  • 手法が判る
  • UXDのメリットを理解できる
  • UXDが評価される

ペイン

  • UXDはビジネスにできないと感じる
  • レベルが高すぎて、内容が理解できない
  • 実務に取り入れにくいと感じる
  • 同僚やクライアントに理解してもらえない
  • 同僚に自分たちとは関係ないと思われる

これらを解決もしくは軽減する「提供価値」を今回のフォーラムで全て実現はできないので、その後の活動でもフォローしていく必要があることがわかった。

そこでイベントで実現することは

  • レアな話を聞くことができる
  • 本に載ってない話が聞ける
  • 将来的な業界の話が聞ける
  • 具体的な事例(成功と失敗)が聞ける
  • 受託の話が聞ける
  • 各地域の先行者との会話ができる
  • 同じ立場の人と話せる
  • 質問ができる
  • 初心者向け勉強会の告知
  • 参加した証明を持ち帰ってもらう

とした。かなりゲスト登壇者とコーヒーブレイクまかせな提供価値でいま見ると愕然とする。そして最後の2つは実現できていない。

 

今後の課題が見えてきた

終了後、ゲストの坂田さんから「テーマやセッションの構成は改善の余地がありそう」と言われたが、なるほどと思いつつもそのときはまだ自覚できていなかった。

しかしいま振り返ってみると、そのとき言われたことが判る気がする。結果的には、話される内容と受け取る側のマッチングがうまくなかった印象を受ける。ただ最新の話を持ってきてもらい、RTDを披露してもらったイベントになってしまい、登壇者の方々も参加者の方も「イベントとしては面白かったが理解は今ひとつ」という印象を持たれてしまった気がする。

 

原因は、いくつか考えられる。

  • 参加者のペルソナが仮説に過ぎず、リアルな声を元にしていない
  • 仮説とはいえ、提供価値を導き出しておきながらそれをゲスト全員に伝えていない
  • せっかくVPCを描いたにもかかわらず、最後までそれを見て議論をしていない

あらかじめ提示されたとはいえ、テーマのオーダーは福岡の運営メンバーによるもの。VPCを使ってニーズを導き出し「事例が一番響く」がタイトルは「サイレントニーズ」のままでも大丈夫としたが、そこの読みも甘かったのかもしれない。テーマ自体は悪くないが、どのように「サイレントニーズ」について話してもらうと効果的だったのか、登壇者の方々にうまく伝え切れていないことが問題ではないかと思った。

リアルな声を聞いていなかったから、今回フォーラムで語られていたことが全くできていなかったことになる。リアルな声を聞こうという話は一度出た気がするが、そのときは誰に聞けばいいか判らなかったことと、VPCを描いた時点で色々な情報が出てきてしまったことで、満足してしまったのかもしれない。

しかしその情報は単なる仮説でしかなく、検証したわけじゃなかった。結局「何を知るべきか」を見失っていたんだと思う。今後の課題は調査する時に必ずリアルな声を聞くこと。インタビュー研究会でやったような洞察をいつでもやれるように意識したい。

せめてもの救いは、これを機に勉強会に参加したいと仰ってくれた方々もいたので、今後の勉強会などでフォローしていきたい。

ちなみに、目標である「イベントで参加者が満足し、ゲストにも福岡のイベントはすごく良かったねと言ってもらえ、これまで3年かけて基礎を教えてくださった浅野先生が満足する」だが、アンケートだけど参加してくださった方の多くは満足だと答えてくれ、ゲスト登壇者も概ねよかったと言ってくださったのだけど、浅野先生の満足について最後の詰めが甘く…といった感じだった。

 

ほんとうはもっと早くブログ書かなきゃいけないなと思ってたんだけど、メモだけしてすぐに書くことができなかった。すぐに書けない理由は、きっと綺麗にまとめようとしちゃうからじゃないかと思う。まとめるんじゃなく、そのとき思った生まれたてほやほやの考えとかを外に出して、書き留めておいた方が良いと思う。方法としてはフォトダイアリー式が一番いいんだと思うけど、写真を撮ってないことも多くてうまくいかない。今回はかろうじてメモをしたので書けたけど、それでも纏める癖がついてるので、いろいろ情報が抜けてしまっているかもしれない。今年は素速く書けるよう工夫したい。

 

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