IA視点からのUXデザインのアプローチ

IA/UXプラクティス モバイル情報アーキテクチャとUXデザイン」刊行記念イベントの「IA視点からのUXデザインのアプローチ」が福岡でも開催されました。その中でパネルディスカッションのモデレータという大役にご指名いただいたのですが、もともと司会や進行は苦手で、モデレータなんかは全くやったことがありません。パネルディスカッションなんてできるのか正直不安でいっぱいでした。

事前に坂本さんと稲本さんに相談しながら、参加者がどういう人達なのか、どういう話を聞きたいと思っているのか仮説を立て、当日の話の流れを決めていき、おおまかな質問に落とし込み、当日に望みました。

セミナーとパネルディスカッションを聞き、「いい話を聞いた」で終わるのではなく、「明日から試しにこれをやってみよう」と思えるようなことが伝わるといいよね、という話になり身近な質問からはじめることにした。大まかな流れは以下の4つ+αを想定していました。

  • 普段どんなインプット・アウトプットをしているか
  • 稲本さんのLPの話を受けてどうか
  • 村越さんの組織の話を受けてどうか
  • それぞれCJMをどう活用しているか
  • 会場からの質問(#タグなどで拾う)

どういう落とし所になるかは当日の流れと参加者次第、という感じでした。

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会場は久しぶりの福岡県Rubyコンテンツ産業振興センター。綺麗な会場で、機材も充実しています。

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会場に到着するとすぐにスタッフミーティングが始まります。エイクエントの宮崎さんの鮮やかな仕切りで、情報がどんどん共有され準備の指示が行われます。とても勉強になります。

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坂本さんのPCに貼ってあったステッカー。社内のUXチームのステッカーのようです。こういうシンボルがあると「ああ、自分はUXチームなんだな」と思えて、行動にも影響がありそうです。

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時間になり、宮崎さんの司会でイベント開始。

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トップバッターは稲本さん。福岡のIAといえばこの人。UX JAPAN Forumでもお世話になりました。モバイル時代のECサイトのLPについての問題定義があり、とても興味深かったです。

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僕はその隙にサインを貰いますw

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続いて村越さん。社内でUXチームの価値を高めていくプロセスはかなり具体的でとても参考になります。

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最後は坂本さん。書籍の内容をベースに具体的な話をされているようです。(…が、次のパネルディスカッションが気になってあまり話が頭に入ってきませんでした)

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カスタマージャーニーマップの説明をひと通りして、ワークショップの開始です。告知の時点ではスケジュールにワークショップのことが書かれておらずびっくりした人もいたようです(セッションの説明には書いてあった)。

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簡単なペルソナづくりからジャーニーマップづくりでかなり盛り上がります。今回の参加者はジャーニーマップを聞いたことはあるが、作ったことはないという方がほとんど。

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その間、各セッション中にメモしておいた内容とにらめっこし、パネルディスカッションの流れを考えます。

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ワークショップでその場が結構な熱量になっていたので、パネルディスカッションでは実際に準備した流れを捨て、今日気づいたことをどうするかという話に早く持って行きたかったので、順序を組み換え最初の問いは省くことにしました。

しかし、一人ひとりに投げかけてしまい、うまく議論を促すことができずにまったくディスカッションになっていかないので結構焦ります。そうやって登壇者とやり取りをしているうちに自分が話を聞いてるような感じになり、すっかり結論を見失ってしまったのは失敗でした。

パネルディスカッションはその場の空気感やそこにいる人達がどこに意識を向けているかなど、その時の流れに合わせた話の進行ができないと、違和感を感じてしまいます。予め流れを想定しておくのも悪くはないが、登壇者の伝えたいことや、参加者がその場で何に気が付き、何がわからなかったか、何を知りたいと思ってるかといったことを感じ取り、登壇者と参加者の間をどう繋ぐのか考え、自分なりの結論に結び付けられるといいのかなと思いました。

今回は自分の弱点でもあるアドリブの必要なことにチャレンジさせてもらえたと思っています。どうしても全体を俯瞰して見るクセがあることと、準備をして進めることに慣れすぎているので、その場にいる人達に寄り添った見方をしない傾向にあるのかもしれません。それがその場の空気や人々への共感を妨げているのかもしれません。これはつまり外側から対象を見てしまっていることになります。次の機会では準備はそこそこに、中に入り込んで理解するつもりで、結果がどうちがうかを比較してみるつもりです。