デザイン講座「デザインの前のプレゼン」に参加

今回参加して収穫だったのは、関係性の大切さを再認識出来たこと。最初の対話の感触から、どういったお付き合いになるのか想像できるかどうか、どういったお付き合いをしたいと思えるかを意識することを心がけたい。前崎さんによると「デザインは人間関係学」なのだそう。

アオバトさんのデザイン講座「デザインの前のプレゼン」に参加した。

今回はクリエイター向けの企画提案の講座。「話を聴く」「描く」「見積り」「具現化する」という流れで、ワークをはさみながら企画の着目点と考え方の講義がメイン。

顧客とどういった関係性を作るかはとても大事で、そのためには必要なことは何か。全体を把握し、描くためには何を聴いておかないといけないか。「全体」とは何を描くのか、といったことが前﨑さんの経験を元に語られた。

「聴く」はリサーチの話。WhyとHowを繰り返し展望まで導く話(なぜなぜ5回ですね)。インタビューでは、WHYは自分に対しての問いで、顧客に直接WHYと聞いてはいけないんだよね。

「描く」はHCDプロセスの「ユーザー要求の明示」にあたる。ペルソナやシナリオ、ジャーニーマップ等で利用文脈を可視化するのと同じく、コミュニケーションを可視化するコンセプトマップが事例として取り上げられた。デザインする対象はパッケージやロゴではなく、それらをツールとしたコミュニケーションが対象。デザインする対象を見ずにデザインするのは難しい。だから可視化は大切。これをやらずに進められているプロジェクトは多いと思う。ジャーニーマップはAs-IsとTo-Beがあるが、コンセプトマップも現状と将来像をつくって提案する。

「見積り」のセクションでは、実際に利用されている見積もりの提示タイプがいくつか紹介された。やったことがないものもあり、とても参考になった。具体的な金額を皆で言い合うシーンもあったが、同業者同士でこういう話はもっとしたほうがいいと思っていたので非常に面白い試みと思う。一方的に聞くだけじゃフェアじゃないので、こちらも具体例を場に共有した。

ほかの参加者から「準備にすごくお金がかかった話を聞いて、同情してデザイン費を安くしたエピソード」が出たが、相手の準備不足あるいは想定が甘いのをなぜデザイナーが負担しなければいけないんだろうか。我々の商品はモノではなくサービスなので、金額は作るモノで固定せず相手によって変化すると考えている。提供した知識や知恵、労力がクライアントにどんな便益を生むのかに目を向けたほうがいいと思う(儲かるわけじゃないからボランティアでお願いします、もおかしい)。じゃぁそれをどうやってやるの?という話は面白そう。

会議(コンサルやコーチング)で継続して報酬をもらうことに抵抗があると思える発言もあった。それは合わせは1度で済ませ制作費を分割してもらうほうがいいのでは、という意見だ。しかし最近は何をしたいのか自分でわかっていない人も多いし、問題に気がついてないことも多のでそこから一緒に考えることが増えている。もし考えることに対価がないのでは「これまで学んできたことや経験から得た知識や知恵」や「(頭の中を一定時間専有して)考える」という労働を無料で売っていることになる。昔、日経デザインのコラムで「デザインなんて考えただけやないか、負けぇや!」と言われてデザイナーを辞めた漫画家の話を読んだ。手で触れるものにしか価値を認めないのは古い考え方に思える。自分で考えられずに前進しないから頼んできているはずなので、そこに価値があると考えるほうが健全だと思う。

「具現」のセクションは、実案件のエピソードを例に制作物の紹介。中には頼まれたわけではないが、必要だと感じたので作られたものもあり、それがあるおかげで良い方向に話が進んだ話もあった。「描く」のところでどんなアクションをしたかにもよると思うが、ここまでで作れた関係性で、ただ依頼されたものを作るだけの関係になるのか、顧客のビジネスを理解して必要なものを作れる関係になるのかが決まるのかも知れないと思った。

最後にワークで出来上がったシートを使ってプレゼン

今回参加して収穫だったのは、関係性の大切さを再認識出来たこと。最初の対話の感触から、どういったお付き合いになるのか想像できるかどうか、どういったお付き合いをしたいと思えるかを意識することを心がけたい。前崎さんによると「デザインは人間関係学」なのだそう。

「見積り」のセクションでは、イングデザイン研究所の長さんという方の話を聞けたことだ。

長さんの取り組み方は画期的で、企業の顧問役として企業理念から社内の意識改革、商品開発・広報戦略・社屋や店舗づくりなどのプロデュース業と、そこから派生するデザイン業務を全て行われ、毎月の定例会議を行いながら、企業の暖簾づくり(ブランディング)をされていました。
月々のコンサルティング料とデザイン業務が発生した都度、デザイン料金請求する仕組みを、1978年(40年前!)からされていたというのも驚きです。

「企業の暖簾づくり」との出会い | アオバト

いまやっていることは同じ領域になっているし、とても勉強になりそう。どういう経緯でしくみを作っていったのかもとても興味があるので、即Amazonで書籍を購入。

今回はワークショップを挟んで各セクションの理解を深めるやりかただったと思うけど、理解を深めるための成果物として持ち帰ってもらうなら、もう少し長めでやったほうが良いかもと思った。流れを把握するのが目的だからいいのかな?
冒頭にヒアリングしてタグラインをつくるワークもあったけど、馴染みのない方や、普段から自分の価値について考えてないと急には作れない。理解が深まるワークや扱うネタの設計はとても難しい。

帰りに三迫さん(革ジャケットがカッコよかった)と今日の振り返りをしながら歩いていると、デザイナーのアウトプットの話になった。三迫さんはきちんとブログを継続しているのですごいなぁと思っている。継続する大切さや、連日投稿でブログのアクセスが倍増した話が聞けた。
デザイナーは仕事がアウトプットできるからやりやすいという話もあったが、見せるものがないと投稿しにくいんだよね。いかに抽象化するかが課題だなと思った。

駅につく頃に、会場にうっかりiPadを置いてきてしまったことがわかり、往復することになった。再び駅に戻る頃にはすっかり暗くなっていて、天神に向かわないほうの改札を通ってしまった。(いま白木原駅は改装工事中)

このサインでは気が付かなかった

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